英単語の暗記は英語学習の挫折の要因の一つではないかと思います。
何かコツはあるでしょうか。
ポイントは、
第一に単語暗記は疲れますので、まずは疲れる要素を徹底的に切り落としていきます。
そして覚える段になったら、しっかり自分のものにするような出会い方を心がけることも大切です。
この記事でわかること:
・ポイントは、精神的負担を減らすことと、記憶しやすい覚え方を選ぶことであること
・コツ①: とにかく量を減らし精神的負担を減らす
・コツ②: 視覚的にコンパクトにして精神的負担を減らす
・コツ③: 分類して課題を切り分け精神的負担を減らす
・コツ④: 語源を知って記憶の定着を速める
・コツ⑤: 字面ではなくイメージで覚え、記憶の定着を早める
それでは一つ一つ見ていきましょう
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①②まずは精神的負担を減らす事:
単語帳というと、だいたい2-300ページぐらいあって、左側に英語、右側に日本語が書いてありますが、単語帳をそのまま使うのではなく、ルーズリーフなどに書き写すのがおすすめです(ルーズリーフ1ページに70単語ぐらい記載できると理想的です(3本縦に折れ目を付けて、英和英和の順で4列作れます))。
ルーズリーフなどに書き写す事でどんなメリットが得られるでしょうか。
・まず、単語帳は1ページに収容している単語数がわずか7-10語程度で、1冊見終えるのに100回以上もページをめくらなくてはなりません。漫画ならスイスイめくれますが、単語帳では大変な苦痛になる方も多いでしょう。ルーズリーフ1ページ70語の場合、2000語でもたった30ページ足らずに収める事ができます(全部移す必要が無い場合もしばしばでしょう)。
・そして何よりも、単語帳では全てのページのビュー(景色)が同じなため、視覚的にどうしても飽きてしまいがちですが、ルーズリーフの場合、1ページごとのの印象もやや異なって見える上、枚数が10分の1程度なので、視覚的な負担は大幅に減少します。
・また単語帳は左側(英語部分)で150ページ近くに渡るため、本の位置(左上、左下など)単語の配置で覚える事も限度があります。一方ルーズリーフの場合、1ページの四隅や中央に位置している単語群、書き直しの箇所、汚れなどは全て印象に残りやすいので、視覚的に記憶しやすい要素が一気に増すのです。
・そして書き写す利点のもう一つとして、知っている単語を飛ばせるという事もあります。この時点で知っているものはどんどん飛ばしてしまって、例えば2000単語の単語帳は1600語くらいからスタートできるならそうするに越したことはないのです。
ルーズリーフへの書き写しはもちろんエネルギーを使いますが、暗記作業の負担減には大きく貢献しますので、やはり切り替えがおすすめです(書き写し中に完全に暗記してしまえるものもあったりましますからそれらは二周目から早速スキップして、分量を一層減らしていきます)。
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そして③の、分類して課題を分ける:
これを実施する一つの例として、特に覚えにくい単語は別途リストアップする方法があります。
例えばルーズリーフに写した単語を日々暗記練習していると、いつもひっかかる単語が出て来るのではないかと思います。それらだけをリストを作るのです。
スマホのメモ機能などでも良いかもしれません。
あえて和訳は乗せず、ひたすら英語だけをリストにして、スマホを見ながら復習して行く事も可能です。
こうすると、気分転換しながら、集中的に弱点の克服ができます。
更に良い事には、もとのルーズリーフから苦手な単語をスキップする事ができます。
すでにしばらく暗記練習を行ったルーズリーフの単語リストの中から、苦手なものを取り除くとどうでしょう。当初1600単語あったリストが残り300語など、ほとんどなくなっている可能性もあります。
ここまでくればあとは走り抜けるだけ、というように、モチベーションも保ちやすくなるのではないでしょうか。
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そして④の語源を知って記憶の定着を速める:
例えば、
・'substitute' という単語には、「代理になる」という意味がありますが、
sub:下に、stitut:立つ で、今上に立つ人がいなくなった時に下から出て来る予定の人のイメージです。
・'conventional' という単語には、「伝統的な」という意味がありますが、
con:一緒に+ven:来る→しきたり(convention)と解釈でき、con:一緒に+verse:向きを変える、では、意見を出し合うという conversationという語が出来上がります。
・'abruptly'という単語は「突然に」という意味がありますが、
ab'は「から離れて」'rump'「途切れさせる、裂く」という語源で、途切れた部分を起点に突然現れるイメージです。
特に覚えにくい単語などは、語源を知るとすぐに覚えられたりします。
調べる手間はありますが、何度も何度も字面だけを追うよりも、結果的に速く覚えられ、他の単語にも応用できるため単語の知識を面のように広げて行く事にも役立つのです。
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最後に⑤の単語はイメージで覚える
下のイメージ、何の単語を調べた時に出てきたものか、分かるでしょうか。
答えは、'scarce' です。
「めったに~しない」などという表現でscarcely で使われるようなイメージがありますが、この単語のコアイメージは、「不足」です。「必要な水準まで何かが達していない」というイメージです。
そこから派生して様々な用法があるscarce なのですが、それは脱線してしまうテーマなので別の関連記事にゆだねて本題に戻ると、画像検索は、単語のコアイメージを掴みにくい時に、それを助けてくれる事がよくあるということです。
コアイメージでなくても、よく利用される場面に関連する画像などについて、文章での説明以上に手早く出会える可能性があります。
全ての単語でイメージを検索すると大変ですし、印象にも残りにくくなってしまうかもしれないので、これもまた、覚えにくい単語について利用してみると良いと思います。